最近は、親も子も忙しい毎日の中で家族といえども触れ合う時間はどんどん少なくなり、意識して作らなければ1週間ほとんどまともな会話がなかったということにもなりかねない時代です。
家庭内のコミュニケーション度を高めるのは何よりも家族同士の思いと努力によるもので、住まいがよければコミュニケーションもうまくいくというものではありません。
しかし、住まいがそのお手伝いをすることはできます。
積極的にコミュニケーションを図るためにはどんなことが考えられるでしょうか。
きっかけをつくる
玄関から続く少し長めの廊下があれば、その壁を展示空間として考え、額に入れた子供の絵を5,6点飾ってみましょう。
立派なギャラリーになります。絵を選び、額に入れるところから子供と一緒にやってみて下さい。
共同して何かを作っていくということは楽しいものですし、共通の話題が各段に増える上に、完成したときには、充実した気分を味わえるというおまけも付きます。
そのために使えるちょっとした場所が住まいの中にあらかじめ用意してあると、億劫にならずに行動を起こしやすいものです。
お互いのしていることに関心を持ち、それについて言葉を交わすというコミュニケーションのきっかけをつくる一つの工夫です。
人と座って雑談をするとき、対面に座ってまっすぐ向かい合うよりも斜めに向かい合う格好で座った方が緊張感が弱まり、より親密で友好的な雰囲気がうまれます。
家族の間の会話が無理なく自然に増えていくように、まずは何か楽しいことを考え実行してみる。そしてそのために部屋をどう使いたいかを考え、少しずつでも使いやすいように工夫する。
そんな日常の積み重ねによっても、住まいは私たち自身のものになっていきます。