家づくりのための豆知識!人との距離

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空いた電車に乗り込むとき、皆さんはまずどこに座ろうと思いますか?

 

ベンチシートが全部空いていたら両サイドのどちらかに座る、と考える人が多いのではないでしょうか。

 

もし、ベンチシートの両サイドがすでに埋まっていた場合、両端から均等な真ん中あたりに座る、更に人と人との真ん中…といった具合に、私たちは公共のスペースにおいて見ず知らずの他人同士の場合、出来るだけ誰とも密接せずに均等な距離を保って過ごそうとします。

 

 

 

 

 

人と人の距離、それは言うなれば人間の縄張り感覚からおのずととられる距離と言えます。

それらについて判りやすく解説している本がエドワード・ホールの「かくれた次元」です。

 

 

E・ホールは著書の中で人と人の距離について次のように定義しています。

 

まず「密接距離」とは親しい間柄の距離です。次に「個人の距離」は、さほど親密でない間柄の距離です。

次に「社会的な距離」とは、お互いを遮断し隔てることが可能な距離、と定義されています。

 

3m という距離はパーソナルな空間を作ることが出来る距離で、コミュニケーションは取れても相手の領域を侵さない距離なのです。

例えば、妻がキッチンで料理を作りながら夫に話しかけた場合、夫は新聞を読む手を休めずに聞いても、妻はさほど気分を害さない距離。

 

 

常に一緒に集うのではなく、家族が住まいのあちこちで好きなことをしていても、なんとなくみんなの気配を感じることが出来る、ここでも住まいの中の「3m」という距離がポイントになるような気がします。